麻生津小学校図書室業務の電子化支援

生活情報専攻 [2007年11月20日]

堂越智子・西川祐佳・山本尚子・吉村友里
指導教員 篭谷隆弘

1.目的
従来、様々な分野において、データ管理は手書きで行うことが一般的であったが、近年ではパソコンで管理するようになってきている。麻生津小学校の図書室業務でも本の管理は手書きで行われていた。そこで私達はパソコンとバーコードを用い、誰が、どの本を、いつ貸出返却したかを効率よく管理でき、また併せて、書名、著者名などで本を簡単に検索できる様にしようと考えた。
2.内容
図書室では購入した本の情報(書名・著者名・購入日など)を手書きの蔵書台帳で管理している。これをもとに、効率よく、正確に書名や著者名を電子化するためにデーターベースソフトであるMicrosoft Accessを用いた。その際に、台帳に記入されていない、ふりがなやISBNも本の正確な情報として必要なため、国立国会図書館の蔵書検索システムNDL−OPACを利用して検索した。それで得られた情報をコピーしMicrosoft Accessに貼り付けデータ入力した。
貸出返却業務をパソコンで行うために「文籍」(静岡県立静岡高等学校教諭 坂田算浩・静岡県立清水南高等学校教諭 平林朋之が開発)というソフトウェアを使用した。一般的にこの様な図書管理ソフトウェアは何十万円もするが、「文籍」は無料でダウンロードでき、機能も必要十分である。
電子化する蔵書データを「文籍」に取り込んでバーコードラベルの印刷を行い、夏休み期間を使って本に貼り付けた。貼り付けの際、書棚ごとに本を取り出し、本に捺されている印に記された受入番号と同じ登録番号のバーコードラベルを探し、表紙に貼り、上に保護フィルムを貼り付け、棚に戻す作業を繰り返した。しかし、図書室にあるはずの本が学級文庫に移動してしまったため、貼っていないバーコードラベルが多く残った。これらは後日、それぞれのクラスに行き、図書室の本と学級文庫の本とを区別するために、本の表紙の裏に貼った。加えて、バーコードラベルの右上にクラス名を記した。
その後、図書委員会の場をかりて児童に貸出・返却の説明会を行った。
また今後、小学校独自で業務を続けていけるように、図書支援員及び児童用のマニュアル作成を行った。作成するにあたって、文字の大きさを揃える、書体を統一する、例を挙げて分かりやすくする、児童用には読み仮名を付ける、絵や写真の挿入を多くするなどの点に注意した。
3.結果・考察
蔵書台帳をデータ化した本の冊数は10054冊、バーコードラベル貼りには、一日平均3人で夏休み期間の15日間を要した。データ化した本のうち、図書室にあり最終的にバーコードラベルを貼った本は7122冊だった。残りの約3000冊の本は、学級文庫へ移動していたり、廃棄されていたり、児童が借りて返さず卒業してしまった様な状態で、不明図書となっている。
私達が電子化の支援をした事で、本の貸出返却が効率的になり、状況の把握もしやすくなったと、小学校の先生からも好評を得た。
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