学長メッセージ(後期授業の開始にあたり)

学び支援課 [2020年9月 3日]

                                          令和2年9月
学生及び保護者の皆さまへ

                                       仁愛女子短期大学
                                        学長  禿 正宣


 夏には収束するかと期待された新型コロナウイルス感染症は、引き続き全国で蔓延している状況にあります。福井県内でも感染者や濃厚接触者等の報告がなされており、学生及び保護者の皆さまにおかれましても、日々の生活に様々な影響が及び不安を感じられることもおありのことと拝察いたしております。
前期期間中は、感染防止の観点から、本学も「遠隔授業」という新たな学習スタイルを中心とした授業を継続してまいりましたが、通信環境はじめ、ご自宅での学習環境の整備にご理解とご協力をいただいておりますこと、深く感謝申し上げます。

 後期授業の開始にあたり、まず、このような状況下での本学の授業実施についての基本スタンスをお話させていただきますと、このようなコロナ禍においても、「学生の皆さんの安全を確保したうえで、『2年間の修業年限で学位(短期大学士)及び免許・資格等を取得』できるよう、最善の学びの機会を提供する」ことを第一義としています。

 本学での授業も、本来は面接授業を基本としておりましたが、学科・専攻によってその授業の内容や方法は大きく異なる点もあり、多様な授業を遠隔授業に一斉に切替える事は、非常に難しい決断でした。学生の皆さんには、想像していた学生生活と違うということで、戸惑いや不安、そして不満が生じたことと思います。「小中学生や高校生は学校に行けるのに、なぜ、大学だけはダメなのか?」というご意見があることも承知しております。高校までと比較すると、大学へは県外や市外の広域から学生が通学してきます。大学生になると自由な時間やアルバイトも増えますし、交友範囲、行動範囲が高校までと比べてかなり広くなります。また大学では、他の大学や会社等に所属されている多くの非常勤講師の方々に、より専門的な立場や実務経験等を活かした授業も行っていただいています。このように、大学では、様々な社会的背景をもった多くの教員・学生が地域間を移動してキャンパスに集い、教え、学ぶという環境にあることをご理解いただければと思います。残念ながらワクチンもなく、また治療方法が確立されていない現時点では、キャンパス内で感染者がクラスター化するリスク、その後の家庭や地域社会への感染拡大リスクは、高校までと比べて格段に高くなるものと考えます。全国の国公私立大学・短期大学の多くが、非常事態宣言解除後も遠隔授業を続けざるを得ないのも同じ事情と考えられます。

 ただ、課外活動もままならず、新たな友人づくりなども困難で、十分な学生生活が送れていない、あるいは大学の施設等が十分に利用できない、というようなこともあって、学納金のあり方に対するご意見、ご質問もいただいております。

 つきましては、現時点での新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、本学としての後期授業の実施方針及び本学の学納金の考え方について、以下のとおり、ご説明させていただきます。なお、今後さらに状況が悪化した場合は、この方針を大きく変更する可能性もあることも予めご承知おきいただきますよう、お願いいたします。


1.後期授業の実施方針

■後期の授業は、「面接授業と遠隔授業を併用」して開講いたします。

授業科目ごとに、授業のパターンとしては、次の3種類となります。

①全ての授業回を面接授業で実施
 特別教室を使用する、実験、実習系授業を中心に、感染防止対策を講じた上で面接授業を実施します。
②全ての授業回を遠隔授業で実施
 講義系授業を中心に、前期同様、オンラインによる遠隔授業を実施します。
③一部の授業回を面接授業、残りを遠隔授業で実施

 どの授業が①②③になるかは、時間割(同封)で確認をお願いします。
面接授業の実施にあたっては、教室での座席指定、授業によってはフェイスシールドの着用等可能な限りの感染防止対策を図ります。


■前期に引き続き、遠隔授業が受講できるよう、ご自宅の機器及び通信環境の準備をお願いします。

 学科・専攻の教育内容の違いにより、遠隔授業の比率は違いますが、感染症の流行状況によっては、全ての授業が遠隔授業に切替わる可能性もあります。また、今後は、リモートワークやオンライン会議等が社会生活の中で普通に行われるようになります。引き続き、家庭内でのパソコン等の機器及び通信環境の充実をお願いいたします。なお、現在、希望者に貸出ししているタブレットパソコンは、後期も継続して貸出しを行います。

2.学納金について

(1)学納金の考え方について
 本学の学納金は、『2年間の修業年限で学位及び免許・資格等を取得』するための費用として設定されています。従って、今回、新型コロナウイルス感染症対応のため、従来と違う形式による授業、例えば遠隔授業を実施したとしても、学納金が変動するものではなく、学位取得の対価として納めていただくものとご理解ください。
 本学の学納金の中には授業料のほか、教育充実費があります。教育充実費にはキャンパス内全ての施設設備を整備する費用が含まれています。施設改修や情報端末・サーバ等の設備、実験・実習等に必要な備品等の購入、維持管理など、教育環境の充実に必要な費用です。この費用も、特定の年度の入学生に、特定の施設設備の購入や維持費等を負担いただくのではなく、長期的視野で施設を整備し、どの年度の入学生に対しても同じように負担していただく性質のものです。今年度は遠隔授業への対応として、貸出用パソコンや遠隔授業用サーバの増強、ソフトウエアの購入を行いましたが、これらの費用についても、当然、今年度の学生に対して特別な増額をお願いすることはありません。
 もちろん、今回これだけ長期にわたり、学生が大学施設の利用を制限されるとは想定しておりませんでした。全ての授業を遠隔授業にせざるを得なかったことは、本学としても本意ではありませんでしたが、今後しばらく、同様の状況が繰り返される可能性があります。「施設を利用していないのだから学納金の一部は返還されないのか?」とお考えになる方もいらっしゃると思いますが、キャンパスの「施設設備の充実・更新、維持管理の費用」として納めていただいているものとご理解いただき、安定的な授業実施及び教育環境の維持にご協力を賜りますようお願いいたします。

(2)後期の学納金について
 後期の学納金の納付手続きは次の通りです。
 なお、新型コロナウイルス感染症流行の影響で家計に変化が生じ、納付期限までの納付が困難な場合は、延納届又は分納届の提出により、期限等の変更ができますのでご利用ください。(手続き方法は、9月18日頃に発送予定の納付書に同封いたします。)

●納付書発送:9月18日(金)頃
●納付期限 :10月20日(火)
●延納制度 :11月20日(金)までに全額を一括納付。
●分納制度 :11月20日(金)までに1回目として90,000円以上を、12月18日(金)までに、残額を3回以内に分割して納付。

 特に、家計が急変した場合は、国の給付型奨学金(返済不要)の対象になる場合があります。文部科学省及び日本学生支援機構のホームページ※をご確認いただき、ご不明な点等も含め、下記、学び支援課にご相談ください。

※文部科学省 高等教育の修学支援新制度
 https://www.mext.go.jp/kyufu/index.htm
※日本学生支援機構 新型コロナウイルス感染症に係る影響を受けて家計が急変した方への支援   
 https://www.jasso.go.jp/shogakukin/kyufu/kakei_kyuhen/coronavirus.html


3.履修等に関する相談について

 今年度は、誰もが経験したことのない極めて特殊な状況であります。学生及び保護者の皆さまの中には、想像していた学生生活と違うということで、戸惑いや不安、そして不満が生じている方もいらっしゃると思います。特に1年生は、対面で教職員等とコミュニケーションをとる機会がほとんどなく、何を誰に相談して良いのか分からない場合もあると思います。

相談窓口は次のとおりです、ぜひ、ご利用ください。

○授業、奨学金等に関すること
 学び支援課 Tel(直通):0776-43-6601
○身体や心の悩みに関すること
 保健室・学生相談室 Tel(代表):0776-56-1133
○就職活動に関すること
 キャリア支援課 Tel(直通):0776-43-6602
○図書館の利用に関すること
 附属図書館 Tel(直通):0776-43-6606
○パソコン演習室の利用に関すること
 情報メディア教育支援室 Tel(直通):0776-43-6605
○学納金、その他のこと
 事務局 Tel(代表):0776-56-1133


4.最後に

 本学教職員一同、学生の皆さんの健康と安全を最優先に考え、より良い教育研究を提供し、このコロナ禍の中でも、少しでも学生の皆さんが充実した学生生活を送り、満足な学習成果が得られるよう、その支援に鋭意努力してまいります。
 学生及び保護者の皆さまにおかれましても、新型コロナウイルス感染防止に努めながら、後期の授業にむけて準備を進めていただきますよう、どうかよろしくお願いします。


◎この文書は、学生宛の送付物(8月31日発送)に同封したものを、一部編集したものです。

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