室田、森田、森本、山岸(指導教員 森 俊之)
動機・目的
数字に関しては、幼稚園教育要領によれば、日常生活の中で幼児自身の必要感に基づく体験を大切にし、数量などに関する興味や関心、感覚が養われるようにすることとされている。実際に実習で以上児クラスを担当した時に、数字に興味を持っている子どもを多く目にし、楽しみながら数字と触れ合うことができないのだろうかと思った。そこで数字の絵本を作ることにした。
絵本の概要
縦27.5cm×横22cmの木綿地を土台に、フェルトなどの布でひとつのページにひとつの数を表す絵が描かれ、数字の1〜10までの10ページから構成されている。布でできている本は手触りがよく、立体的に表現できると思い、布製にしようと思った。また、ページ毎にしかけを盛り込んだらおもしろいのではないかと考え、しかけの内容も発達段階にそって、序々に難しくなるように工夫した。
絵本の対象年齢
3〜5歳児
絵本のねらい
- 数字の概念を楽しみながら身につける。
- 指先を使うことによって、手指の運動の発達を促す。
作品の構成
- 数字1
- かばんの口をファスナーで開け閉めできるようになっている。
- 数字2
- カーテンを綴じるひもがマジックテープで付けはずしできるようになっている。
- 数字3
- 3匹の豚の鼻を押すとブーブークッションで音が鳴るようになっている。
- 数字4
- トランプの絵柄が4つあり、布をたたんで同じ絵柄のポケットに入れられるようになっている。
- 数字5
- 5つのりんごがポッチンボタンで付けはずしできるようになっている。
- 数字6
- 6つの花の花びらがボタン(大)で付けはずしできるようになっている。
- 数字7
- テントウ虫の7つの星がボタン(小)になっており、体がつけはずしができるようになっている。
- 数字8
- 8つの果物に向けて青虫が果物を食べていくように穴に紐を通せるようになっている。
- 数字9
- はずれた状態のファスナーの付けはずしで、洋服のチャックが付けはずしできるようになっている。
- 数字10
- 10匹中5匹のちょうちょがリボンになっており、それらをちょうちょ結びできるようになっている。
まとめ・感想
しかけの内容や構成、作り方まで一から全部自分達で考えて作品を制作したので予想以上に困難だったが、序々に作品ができてくるうちにやりがいがでてきた。子どもの目線に立って作品を構成するのが1番難しかった。自分達の空想が実際に作品となった時は、うれしかったと同時に、自信がつき、何事にも挑戦してみようと前向きになれた。