小さい頃から食べることが大好きで、高校の頃には「食べるからには、健康づくりも考えて食べられるようになりたい!」と思うようになり、栄養士になる道を選びました。仁愛女子短期大学時代にはいろいろなことを学びましたが、特に印象に残っているのは、栄養学と調理学実習ですね。栄養学の授業では食べたものが体の中でどのように変化して、私たちの体を作っていくのかを学びましたし、調理学実習では、さまざまな料理や調理技術を学びながら自分たちの手で作って食べることの楽しさを知りました。その時に、「食べることの大切さ、楽しさを、これから成長していく子どもたちに伝えたい」と思ったことが今の仕事、学校栄養職員を目指したきっかけです。そして私自身も2人の子どもの母親として、子どもにとっての食が、いかに大切なものであるかを実感しています。
勤務先の小学校では、現在、約630食の給食を作っています。中には食物アレルギーを持つ児童もいるため、個別対応もしていますが、給食室や教員、保護者の方と連携し、事故なく給食が作れていることにやりがいを感じます。もちろん、子どもたちから「給食おいしかったよ!」とか「給食、頑張って早く食べられたよ!」と、声をかけられた時も嬉しいですね。苦手な食べ物に苦戦している子や食べるのが遅い子が、声をかけることで食べられるようになり、明るい笑顔を返してくれた時には心からの喜びを感じます。また、給食では学校の畑で取れた野菜や、地域の生産者の方が作った野菜を多く取り入れるようにしています。そのことを紹介すると、「おいしい!」と喜び、普段よりも食が進むように感じます。子どもたちが野菜づくりや地域のことに興味を持っている様子が見えると、地元の食材を使って良かったな、と思います。
まずは“安全・安心でおいしい給食づくり”を心がけ、事故が起こらないよう衛生管理には特に気をつけています。また“食育”という言葉が一般的になり、食の大切さが見直されている現在、給食時間は授業の一環でもあり、食べているものは教材の一つだと思っています。そのため、料理に旬の食材や地域で生産されたものを使ったり、メニューに桃の節句のような行事食や、昔から地域で食べられてきた郷土料理なども取り入れることで、子どもたちに給食を通して地域のことや食文化について、もっと興味を持って欲しい、知って欲しいと思っています。