小さい頃からものを作ることが好きで、学校では図工や美術の授業が特に好きでした。作っている時間は自分の世界に没頭できることがとても心地よく、有意義に感じていました。そうした少女時代を過ごす中で、将来職業に就く時も、ものづくりを仕事にしたいと心のどこかで決めていたのだと思います。仁愛女子短期大学では、私と同じようにものづくりが好きな仲間と出会えたことで、一層、ものづくりを仕事にしたいという気持ちが強まっていき、就職活動をする中で、今の会社と出会いました。この会社を選んだ一番の理由は、企画から生産・販売まで一貫して行っているという点です。ものづくりは工場でも携わることができますが、そこでは生産の部分しか見えません。最終的にお客様の手元に届くところまでを見ることができるということが、ものづくりをする上で、とてもやりがいを感じられるのではないかと考えたからです。
自分の手がけた商品が、カタログに載ったり、お客様に喜んでいただけた時には、とてもやりがいを感じます。企画の仕事は、一見華やかに見えますが、実際にはそうでない部分も多々あります。いつもデザインだけをしていればいいというわけではなく、生産工場へ立ち入りをしたり、生産現場まで行って指示を出したりすることもあります。サンプルを作る際には、自分で生地を染めて、裁断・縫製までを行うことも。納期まで時間がなく、ギリギリの状況で仕事を進めていかなければならないこともよくあります。一つの企画が生まれ、それが生産に至るまでには、実に多くのドラマが待ち受けています。中には生産にまで至らない企画もたくさんあります。それでもこの仕事をやり続けているのは、やはりものづくりが好きだから、ということに尽きると思います。
当たり前のことかもしれませんが、絶対に諦めない心を持って仕事をしています。時には上司からの指示で諦めざるを得ないこともありますが、“ここまではやる”と自分で決めたことは、最後までやり抜くことが、必ず次の仕事につながるからです。たとえば、提案した企画がダメになったとしても、そこで考えたことを次の企画で活かすことができる場合もあります。ですから私自身、失敗は決して無駄ではなく、次へのステップなのだと思うようにしています。「失敗は成功の母」という言葉を信じ、失敗してもそれを次の成功に結び付けられるよう、ポジティブさを忘れないで仕事をしています。