私が最初に栄養士になりたいと考えたのは、高校2年生の時でした。父が病気になり、家でも食事療法を行わなくてはならなくなった時に、初めて栄養士という職業があることを知りました。父の食事療法について、栄養士の方からのアドバイスを聞き、食事の大切さを知ったことで、私自身ももっと食に関する専門的な知識を身につけたいと思うようになったのです。今は私も、母と一緒に父の病気のことを考えて、料理を作っています。また、保育園への就職は、就職指導課の方から勧められたことがきっかけでした。たくさんの食べ物があふれている今の時代において、バランスのよい食事をするということは、子どもの頃からの経験が重要だと思います。そして、その一歩となることができる保育園での食の仕事に、とても魅力を感じ、やりがいがあるのではないかと思いました。
保育園では、食育も担当させてもらっています。食育では、食べ物と体の関係について赤・黄・緑の三色板を使って分かりやすく説明したり、また、調理体験なども実施しています。子どもたちが理解しやすいように、年齢に合わせてやり方を工夫しています。体の仕組みや正しい箸の持ち方などの話の内容をしっかりと覚えてくれていたこと、そして、後から子ども同士で話の内容を確認しあっていた様子や、家に帰ってから家族とも話をしたということを聞き、そのようなきっかけ作りと体験をしてもらうことができたことに、大きな喜びと嬉しさを感じました。また、昼食は子どもたちと一緒に食べていますが、その時に「おいしい!おかわり」という子どもたちの声が聞けると、本当に嬉しくて、この仕事に就いてよかったと、やりがいを感じます。
子どもたちに食育指導を行う際もそうですが、この職場で仕事をしていく上では、保育士さんとの協力が必要不可欠です。私は栄養士であって、保育士ではないと考えるのではなく、子どもに関わる同じ職員として、メンバーの中に入っていくことが大切だと感じています。そのためには、保育士さんや周りの人々とコミュニケーションを図ったりすることも重要です。そして、自分に与えられた仕事をするだけではなく、周りを見て行動できるよう、いろいろなことに気がつける人間になっていきたいと思っています。