もともと食べることが好きだったので、昔から食に関わる仕事に就きたいと考えていました。仁愛女子短期大学で食物栄養専攻を選んだのも、「この食材にはどんな栄養素が入っていて、食べるとどんな作用が起こるのか」といったことを勉強するのが好きで、そうした知識を学びたいと思ったこと。加えて、大好きだった韓国ドラマ「チャングムの誓い」の主人公のように、食の知識を知り尽くした人になりたいと思ったからです。栄養学を学ぶことの面白さは、学んだ知識が生活の中で役に立つ点です。そして、自分のように食べることが好きな人のために、おいしくて、しかも体にも良い食事を作りたい。それを仕事にしたいと考えました。今の職場を選んだ理由は、昔から高齢者の方に親しみを感じていたこと、食べることが楽しみの大きな部分を占める高齢者の方に、自分の得た知識や技術を使って、食事を作ってあげたいと考えたからです。
栄養士として実務経験を積み、管理栄養士の資格を取得しました。利用者さんから「おいしかったよ」と声をかけていただいたり、「ご飯がおいしくて幸せやわ〜」と笑顔で言っていただけたりすると、本当に嬉しくて励まされます。これがあるから落ち込んでいる時も、頑張ろうという気持ちになります。やりがいということとは少し違うかもしれませんが、私は高齢者の方を見ていると、お世話をしてあげたい、役に立ちたいと思うので、この仕事を続けていこうと思えるのかもしれません。正直、自分はまだまだだと思うことのほうが多く、なかなか達成感を得ることがありません。栄養管理も任されていますが、「この方はこういう病態だから、こういう食事を」という判断が素早くできないので、もっと経験を積んで、利用者の方のためにより良い食事を作りたいと思っています。
仕事をする上で心がけていることは、いくつかあります。まずは、周りを見て仕事をすること。そして、今やるべきこと、仕事の優先順位を考えて行動すること。分からないことは必ず相談することです。いずれもコミュニケーションを図り、情報交換することにつながると思いますが、これはとても大切なことだと思っています。その意味では、当たり前ですが、あいさつも大切ですね。そして、自分自身、これから努力していきたいと思っていることは、忙しい時でも平常心を保つこと、相手が今、自分にして欲しいと思っていることは何か、を考えて行動することです。