食物栄養専攻のNEWS

  • 2022.07.08
  • 食物栄養専攻
食肉の加熱殺菌の検証

こんにちは、食物栄養専攻です。

1回生「食品衛生学実験」の授業レポートです!

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この授業では、食品調理における衛生管理(食中毒予防など)について、実験を通して学びます。
給食施設では、HACCP理念に基づく「大量調理施設衛生管理マニュアル」に従って衛生管理する規則になっています。

このマニュアルには重要管理事項が5つありますが、
今回は、加熱調理時の中心温度管理に関する重要管理事項について実験で検証してみます!

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豚ブロック肉、豚ひき肉を
①生肉(非加熱)、②表面加熱(表面のみ加熱)、③中心加熱(マニュアルにしたがって中心部75℃以上で1分間以上)
の3種類の検体を作り、培養。それぞれの加熱調理後に残存する細菌数をカウントし、加熱殺菌の重要性を知る
という実験をしました。

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★★★★★★★★1週間後★★★★★★★★

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さて、1週間培養した細菌はどうなったでしょうか?

ポツポツ出てきた細菌を目視でカウント!
皆さん根気よく数えました。
結果を一覧に記入し、その平均値を出しました。

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鮮度にもよりますが、生肉からは1gあたり数千~数十万の細菌が検出されました。
しかし、中心部までしっかり加熱することで、しっかり殺菌できることが立証されましたね。
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表面を加熱しただけの場合、ブロック肉とひき肉で殺菌率が大きく差が出ました。
これは、ブロック肉では表面にだけ細菌が付いているからです。
ブロック肉を用いる料理(ステーキ等)では、表面の細菌をしっかり焼いて殺菌すれば、食中毒リスクが軽減されます(※ただし、豚肉では細菌以外の寄生虫のリスクもあるので、ブロック肉であっても内部まで加熱する必要があります)。

一方、ひき肉は、ミンチに加工する段階で細菌が内部にも侵入しています。
したがって、ひき肉を用いる料理(ハンバーグ等)では、表面だけでなく中心部までしっかり加熱して、内部に侵入した細菌まで殺菌しなければ、安全に提供することができません。
そのため、給食施設に適用される「大量調理施設衛生管理マニュアル」では、食材の中心部まで75℃以上で1分間以上加熱することが定められているのです。

このように、栄養士は栄養や調理だけでなく、集団食中毒を予防するための食品の衛生管理の知識も求められます。
美味しくバランスの良い食事を安全・安心に提供できる栄養士になるために
仁短の学生さんたちは、毎日元気に学んでいます!

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